泌尿器科疾患

主な男性の泌尿器科の臓器別疾患・症状・治療について

【前立腺に関わる症状・疾患】

前立腺肥大症

前立腺肥大症は50代で発症リスクが高まり、60歳以上の男性の3人に1人が悩まされているといわれるほど、高齢男性に一般的な疾患です。前立腺は男性生殖器の一部として、本来、射精などをスムーズに行うための役割を担っていますが、加齢とともにその役割は必要なくなり、男性ホルモンの乱れにより前立腺は肥大していきます。それに伴い尿道が圧迫され、残尿感、尿の勢いの低下、尿漏れ、頻尿など、さまざまな排尿障害・蓄尿障害が現れるほか、尿意切迫感といった症状も。
診療は通常、問診のほか、排尿・蓄尿障害の状態をチェックするIPSS(国際前立腺症状スコア)という診査、超音波検査、尿流量測定、PSA(前立腺特異抗原)検査などを行い、診断が下れば、薬物治療や生活習慣の改善を行います。症状によっては手術が必要となるので、その場合は提携の基幹病院などをご紹介します。

前立腺がん

前立腺に発生するがんで、加齢とともにリスクが高くなり、男性のがん発生の部位別発生順位および死亡率ともに上位を占める疾患です。早期発見、早期治療により治癒が可能ながんではあるものの、初期には自覚症状が少なく、見つけづらいのが実情です。進行すると、尿が出にくい、頻尿、排尿痛がある、血尿といった自覚症状が出てきます。
そうした自覚症状が出る前に、中高年の男性には、普段から採血による測定だけで判定できるPSA(前立腺特異抗原)腫瘍マーカー検査を受けることをおすすめします。
ただし、PSAは前立腺がんだけでなく、前立腺肥大症、前立腺炎といった前立腺関係の疾患によっても上昇します。PSA値上昇でがんの疑いがある場合には、生検検査などがん専用の精密検査を受けて診断を得る必要もあるので、提携の基幹病院などをご紹介します。

慢性前立腺炎

慢性前立腺炎は前立腺に炎症を起こして排尿に関する症状や性機能障害を起こす疾患で、慢性骨盤痛症候群と呼ばれることもあります。10代後半~40代の発症が比較的多い傾向があります。はっきりとした原因はわかっていませんが、前立腺周囲の血流障害、自己免疫反応、前立腺内への尿の逆流、知覚過敏などの感覚神経異常、ホルモンの異常などの関与が指摘されています。
正確な診断や適切な治療が難しい疾患ですが、生活指導や内服治療が中心となります。治療により症状の軽減が可能ですが、治りにくい場合もあります。
下記のような症状がある場合は、慢性前立腺炎を疑います。
・鼠径部(足の付け根)
・陰嚢部
・会陰部(陰嚢と肛門の間)
・下腹部や膀胱付近の痛みや不快感
・排尿時や射精時の痛みや不快感

【膀胱に関わる症状・疾患】

過活動膀胱

加齢とともに発症し、日本人の40歳以上の男女8人に1人がこの疾患に悩まされている、一般的な疾患です。自分の意志とは関係なく、膀胱が収縮し、頻尿(昼間も夜中も何回もトイレに行きたくなる)や、尿意切迫感(急におしっこがしたくなって我慢できない)、尿もれといった排尿障害を起こします。神経や脳の病気が原因のこともあれば、前立腺肥大症の症状も含まれます。
専門の質問票に答えて症状を把握し、超音波検査などで現状を調べた上で、主に内服薬治療を行います。

神経因性膀胱

膀胱の収縮力が弱まり、頻尿や残尿感、おしっこが出づらい、尿もれといった排尿障害の症状が現れる疾患です。この疾患の場合、そもそもの原因が骨髄損傷、糖尿病や加齢による膀胱の神経障害、前立腺肥大症による膀胱の筋肉の動きの低下など、主に神経の異常と膀胱機能の異常が関連しているとされています。
尿や血液の検査のほか、超音波検査などで診断し、投薬で治療します。治療しても自分の力で排尿できない場合は、カテーテルを使用して自分で排尿する「自己導入」という方法があります。

膀胱がん

60歳以上の中高年男性に多く発症するがんで、主に喫煙が発症リスクファクターといわれていますが、正確な原因はわかっていません。膀胱の上皮粘膜にできるがんで、泌尿器系のがんとしては症状が出やすく、痛みのない血尿が出たら膀胱がんを疑いましょう。そのほか、頻尿、排尿痛、残尿感も症状です。初期症状の段階で治療を受ければ治癒は可能ですが、種類によっては、再発のリスクが高いがんでもあります。
検査は、まず内視鏡検査のほか、腹部超音波検査、尿細胞診などを行い診断します。膀胱がんと診断されたら、手術などの治療を受けるため、提携の基幹病院などをご紹介します。
腎臓や尿管など、尿路器官との関係が深く、膀胱がん発症の場合、尿路器官にもがんの疑いがあるので、そちらも検査することをおすすめします。

【尿路(腎・尿管・尿道)に
関わる症状・疾患】

尿路結石
(尿路/腎・尿管・尿道)

腎臓でつくられた尿の成分が結晶化して結石となり、尿の通り道である腎臓、尿管、膀胱、尿道など尿路にとどまるのが尿路結石です。結石のできる場所によって、腎結石、尿管結石などと呼ばれます。
尿路結石の症状としては、脇腹あたりや下腹部、そして背中に激しい痛みの発作が起こり、それに伴う吐き気、目で見てわかる血尿などが生じます。とりわけ、尿管に結石が詰まって閉塞すると緊急処置が必要となります。
治療法はレントゲン検査や超音波検査で結石を確認し、石が小さい場合は薬や水分による自然排出を促しますが、ある程度の大きさの石の場合は、石を砕く処置など、専門的な施術が必要になります。
さらに、再発率の高い疾患なので、一度治療したら、その後の管理をしっかり行いましょう。近年、尿路結石の患者さまは徐々に増えており、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病との関連を踏まえ、そうした疾患を持つ方は要注意です。健診の際などに、ご相談ください。

尿路感染症(尿道炎)

細菌や真菌(カビ)などの微生物の尿路への感染を原因として起こる感染症です。症状としては、排尿痛、頻尿、尿道から膿、尿道の痛みなどですが、放置すると重症化の可能性もあります。尿検査などにより尿道炎と診断されたら、抗菌薬の投薬などで治療します。

性感染症

主に性行為により細菌感染する感染症で、具体的には、淋菌感染症、クラミジア感染症、マイコプラズマ・ウレアプラズマ感染症、梅毒、性器ヘルペス、尖圭(せんけい)コンジローマなどが挙げられます。各感染症で症状や治療法も異なり、一般的に女性より男性のほうが症状が出やすいので、性器などに異変を感じたら早めにご相談ください。保険治療を基本としており、パートナーの検査・治療も保険で行うことができます。また、自費の検査や治療にも対応しています。

腎盂(じんう)・
尿路(上皮)がん

腎臓内の腎盂、そこから下る尿管、尿をためる膀胱と、尿が通過する臓器、尿路に発生するがんです。特に膀胱(上皮)がんは、泌尿器科系悪性腫瘍では前立腺がんに次いで男性に多く、膀胱がんが発生している場合、それ以外の尿路にもリスクがあります。
早期段階では自覚症状が乏しく、発見は進行してからというケースがほとんどですが、最近では健康診断で見つかる症例が増えています。尿路の各部位はお互いの関連性が高いので、がんの早期発見には、尿路全体の検査が有効です。

【精巣・陰嚢に関わる症状・疾患】

精巣がん(精巣腫瘍)

男性ホルモンの分泌や精子をつくり出すといった役割を担う、男性固有の臓器、精巣(睾丸)に発生するがん。男性全体では10万人に約1人という発生率で、全男性のがんでも1%程度という稀有なものではありますが、5歳未満、20歳代後半~30歳代、60歳以上と発症ピークが3回もあり、20~30歳代の男性に限れば、その世代で最も発症数の多いがんとして若年層に多い点が特徴です。
詳細な原因はわかっていないものの、停留精巣の既往が原因だといわれています。つまり、精巣が陰嚢に降りてこないでお腹に残っている場合、精巣がんのリスクが高いわけです。
初期症状としては、陰嚢の腫れや睾丸のしこりが挙げられますが、それを発見しづらいのが難点。精巣がんは進行が早いので、局部の異常に気づいたら早めに受診しましょう。触診、超音波検査、腫瘍マーカー検査などを行い、必要があればCT検査なども行います。もし、がんが見つかったら、手術や抗がん剤治療などの高度治療が可能な提携病院をご紹介します。
◎そのほか、精巣上体炎、陰嚢水腫などが挙げられますが、いずれも症状や痛みが出たら、ためらわずに来院してください。

【その他の男性の症状・疾患】

後腹膜肉腫

その他の男性の病気
=メンズヘルス分野

男性不妊症

子づくりを始めて1年以上たっても自然妊娠に至らない場合、それを「不妊症」としますが、不妊症の原因の半数は男性側にあるといわれています。そして、男性不妊症の原因のほぼ90%は、精子をつくる機能が低下する造精機能障害で、以下、精子の通路が詰まっている精路通過障害、勃起や射精ができない性機能障害、精路感染症といった順となっています。ただ、検査をするまで患者さま本人が気づかないケースも少なくありません。
男女ともに35歳を境に加齢とともに不妊症患者は増えていくので、なかなか子どもができない方は、早めの検査、治療が必要でしょう。
男性不妊症の診療は、まず精液検査や超音波検査、血液検査などを行い、診断結果に応じて治療を行います。たとえば、検査で無精子症と診断されたら、さらにホルモンチェックなども実施し、必要な治療へと進みます。
当院では、精液検査機器(SQA-iO)を導入。これは精液の詳細な分析が可能な検査機器で、検査結果を検査当日にお伝えすることができます。ただし、検査前の禁欲期間を3~5日でお願いしているので、予約当日の検査を希望の方はご注意ください。
また、ブライダルチェックとして、男性用の性感染症検査と精液検査のセット検査も行っています。

性機能障害 勃起不全=ED

男性の性機能障害とは、満足な性行為を行うのに十分な勃起や射精ができない状態のことで、なかでも勃起を維持できないケースをEDとします。原因の性質により、心因性(メンタルな要素が原因)、器質性(身体的なものが原因)、混合性(両方の原因を伴う)の3つがありますが、実際には複雑に絡まっていることが多いようです。
まず問診を行い、必要に応じてホルモン検査などを行います。薬剤の内服(自費薬)による治療を基本としますが、男性ホルモンレベルが低い方には男性ホルモンの補充を行うこともあります。
また、薬剤の治療ができない方や効果が得られない方に対する治療機器(Vigor 2020)の取り扱いもしております。 射精障害に対する診療も行っております。膣内射精障害や逆行性射精、早漏や遅漏などお困りの症状がありましたらご相談ください。当院では、早漏治療薬(ダボキセチン)の処方が可能です。

男性更年期障害

最近では、女性だけでなく、男性にも更年期障害が起きることが知られてきています。
男性の更年期症障害を「LOH症候群(加齢性腺機能低下症候群)」といい、主に40歳以降の男性において、男性ホルモン(テストステロン)の減少により、また生活習慣やストレスなどから、さまざまな症状が現れます。
症状としては、倦怠感、発汗、ほてり、イライラする、不眠、性欲低下など、肉体的かつ精神的な症状が多く、ときにうつ症状も絡むなど、女性の更年期障害と共通するものがほとんどです。 こうした症状にお悩みの場合、女性には婦人科という専門診療科がありますが、男性の場合はやはり当院のようなメンズヘルスを扱うクリニックにまず相談するのが賢明でしょう(当院院長は、日本メンズヘルス医学会テストステロン治療認定医です)。
普段の生活に支障をきたすほどの重い症状の場合、いち早い治療をおすすめします。まずは問診を行い、血液でホルモン値を確認するなどの検査を行い、診断が下ったら、ホルモン補充療法(保険適用)などを行います。また、食生活の改善や運動を行うこと、ストレス発散など、生活の立て直しも治療に役立ちます。

AGA=男性脱毛症

進行性の男性型脱毛症として知られる疾患。これも男性ホルモンが関係するので、EDなどと同じ分類で、当院のような男性向け診療科のある医院で診察することになります。症状のメカニズムとしては、男性ホルモンのバランスが乱れることで、全体的に毛髪のヘアサイクルに影響が及び、成長期が短くなり、その結果、頭髪現象が症状として現れます。たとえば、頭頂部の毛髪が薄くなった、毛髪が細くなった、抜け毛が増えたなど。
AGAは投薬で改善が見込めます。ただし、前立腺がんの腫瘍マーカーが半減するといった副作用のリスクがあるので、特に中高年の患者さまには、先に前立腺がんを検査してからAGAの検査、診療に移ることをおすすめします。

包茎手術

包茎とは亀頭が常時露出していない状態をいい、真性包茎と仮性包茎と嵌頓包茎があります。
真性包茎とは、包皮輪が亀頭より狭いために、手で包皮を翻転させても亀頭が包皮より露出できない状態をいいます。この状態では勃起時や性交時に痛みを感じたり、包皮炎などを起こしやすくなったりします。先天的なものが殆どですが、包皮炎を繰り返すうちに包皮が炎症性肥厚、癒着を起こし後天的になってしまう場合もあります。
仮性包茎とは、余剰の包皮が長いために平常時は亀頭が包皮内にあるものをいいます。手で包皮を翻転させると比較的容易に亀頭を露出させることができるものです。仮性包茎の場合は基本的には手術をする必要はありません。
嵌頓包茎は、包皮はむけるが亀頭の根本が締め付けられ、血液などの循環が障害され元に戻せなく状態です。それにより亀頭にうっ血や浮腫がおき、痛みを伴います。
包茎治療については、基本的に自費診療とさせていただいております。 手術料金は、仮性包茎:99,000円、真性包茎:110,000円です。
料金には、手術に関わる投薬や術後の再診料を含みます。初回の診察は、自費診察料がかかります。

主な女性の泌尿器科の臓器別疾患・症状・治療について

【膀胱に関する症状・疾患】

膀胱炎

細菌感染により膀胱の粘膜に炎症が起きる疾患です。女性は男性よりも尿道が短く、膀胱が(特に膣経由で)細菌(主に大腸菌)に冒されやすいため、抵抗力が落ちているときの女性に多い病気となっています。症状としては、頻尿、排泄痛、残尿感、尿意切迫感、血尿など、膀胱本来の機能の低下によるものがほとんどです。さらに、細菌が腎臓まで侵入して炎症が悪化すると、腎炎を起こす可能性があるので、早めの治療をおすすめします。
受診して膀胱炎と診断が下ったら、抗生剤の服薬で治療します。閉経後の女性は再発のリスクが高いのでしっかり治療を行うことが大事です。また、若い女性で再発する場合には、ほかの疾患や異常などがある可能性も否定できないので検査を受けましょう。

過活動膀胱

日本人の40歳以上の男女8人に1人がこの疾患の症状に悩まされているという、加齢とともに発症する疾患で、特に40代以降の女性に多いといわれています。それなのに、あまり受診されていない病気でもあります。
症状としては、自分の意志とは関係なく、膀胱が収縮し、頻尿(昼間=8回以上、夜間=1回以上、トイレに行きたくなる)や尿意切迫感(急におしっこがしたくなって我慢できない)、そして、尿もれといった排尿障害を起こします。
症状の判定のためには、まず患者さまに過活動膀胱症状質問票(OABSS)という専用の質問票に答えてもらって症状を把握し、超音波検査などで現状を調べた上で、主に内服薬治療を行います。また、尿意を我慢する膀胱訓練や骨盤低筋を鍛える体操の指導といった行動療法も行います。ただ、12週間治療を継続しても症状の改善が得られない場合や副作用により既存治療が継続できない場合は難治性過活動膀胱とされます。難治性過活動膀胱の患者さんに対しては、ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法が適応(保険診療)となり、当院においてもボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法を行っておりますので、他院で治療を受けているにも関わらずなかなか症状が改善しない方がおりましたら、ご相談ください。

尿もれ

女性に多い悩みの筆頭が、「尿もれ(尿失禁)」「頻尿」です。とりわけ、尿もれは40歳以上の女性の4割が経験しているといわれ、切実な問題でありながらも、受診率が低いこともあって、加齢につれて悩みが深刻になる可能性も否定できません。
尿失禁の種類としては次が挙げられます。
①腹圧性尿失禁→骨盤低筋群の緩みにより、お腹に力を入れると尿もれする
②切迫性尿失禁→急に尿意が起きて、トイレにたどり着く前にもれる
③混合性尿失禁→①と②のどちらも現れる尿もれ
そのほか、溢流性尿失禁、機能性尿失禁、過活動膀胱があります。
それぞれの尿もれのタイプに適した方法で治療を行いますので、尿もれでお悩みの方は、ご相談ください。

【腎・尿管に関わる症状・疾患】

腎盂腎炎

膀胱から腎臓への細菌感染によって起こる炎症で、症状としては頻尿、残尿感、排尿痛などがあります。さらに高熱や腰側部の痛みなどを発症するケースもあり、異変を感じたら受診しましょう。尿検査や超音波検査などの検査後、軽度の腎盂腎炎との診断なら、服薬治療を行います。病状が深刻な場合は、入院措置が必要になりますので、適した基幹病院などをご紹介します。

尿路結石

腎臓でつくられた尿の成分が結晶化して結石となり、尿の通り道である腎臓、尿管、膀胱、尿道など尿路にとどまるのが尿路結石です。結石のできる場所によって、腎結石、尿管結石などと呼ばれます。
尿路結石の症状としては、脇腹あたりや下腹部、そして背中に激しい痛みの発作が起こり、それに伴う吐き気、目で見てわかる血尿などが生じます。とりわけ、尿管に結石が詰まって閉塞すると緊急処置が必要となります。
治療法はレントゲン検査や超音波検査で結石を確認し、石が小さい場合は薬や水分による自然排出を促しますが、ある程度の大きさの石の場合は、石を砕く処置など、専門的な施術が必要になります。
さらに、再発率の高い疾患なので、一度治療したら、その後の管理をしっかり行いましょう。近年、尿路結石の患者さまは徐々に増えており、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病との関連を踏まえ、そうした疾患を持つ方は要注意です。健診の際などに、ご相談ください。

腎(細胞)がん

腎臓に発生する悪性腫瘍で、おおむね50~70代の中高年、特に男性に多く発症します。早期では自覚症状が乏しく、発見しづらいがんに数えられています。
ただ、超音波検査やCT検査などの検診をまめに受けていれば、発見される確率も上がります。治療は手術が第一選択肢のため、当院では、腎がんの疑いありと診断された患者さまには、提携する基幹病院などをご紹介します。

【尿道に関わる症状・疾患】

尿道カルンクル

尿道口から尿道に良性腫瘍(できもの)ができる病気で、更年期以降の女性に多く発症します。腫瘍といっても、実質的には単純なできもので、出血しやすく、柔らかいのが特徴です。症状としては、尿道口および排尿時の異物感や排尿痛、尿道口の痛みやかゆみ、できものからの出血など。初期の治療は服薬や塗り薬で行いますが、できもののサイズや状態によっては切除などの処置を行います。

骨盤臓器脱

高齢女性や複数の出産経験のある女性に特有の泌尿器科の病気です。女性の10人に1人、閉経後の女性では約4割に発症するといわれるほどで、決してめずらしくありません。
本来、女性の下腹部にある臓器=子宮、膣、膀胱、直腸、小腸=は骨盤低筋群という筋肉や靱帯で定位置にあるように支えられていますが、それが緩むことにより、これらの臓器のいくつかが、または単独で、主に膣に下がって膣から外へ出てしまう状態の病気です。
骨盤低筋が緩む原因としては、加齢、肥満、出産、慢性便秘、排便やぜんそくなどによる強い腹圧などがあります。症状としては、失禁や頻尿などの排尿障害をはじめ、下垂状態などさまざまなものがありますが、どれも激痛や致命的なものではないためか、受診をためらい、違和感を覚えながらもQOLが低いままで過ごしている方が多いようです。
治療法としては、骨盤低筋群を体操で鍛えて、排尿障害を改善するほか、重症な場合は手術を行います。症状に心当たりのある方は、ぜひ一度ご相談ください。治療すれば患部も気持ちもすっきりするはずです。