これも肥満や生活習慣病との関わりが指摘される疾患で、眠っている間に一定時間、呼吸が止まるのが基本的な症状です。
医学的には、10秒以上の気流停止(気道の空気の流れが止まった状態)を無呼吸とし、無呼吸が一晩(7時間の睡眠中)に30回以上、もしくは1時間あたり5回以上発生すると、睡眠時無呼吸です。実際には、寝ている間の無呼吸に人はなかなか気づくことができないため、検査・治療を受けていない多くの潜在患者さまがいると推計されています。
この病気が深刻だとされるのは、寝ている間の無呼吸が、起きている間の私たちの活動にさまざまな影響を及ぼすことになりかねない点にあります。特に、自動車などの乗り物の運転が危険になるほか、酸素不足に陥り心臓や血管に負担がかかり、心筋梗塞や脳卒中を引き起こすようなことも。
そこで、当院では、2017年より睡眠時無呼吸症候群の簡易診断およびその治療法であるCPAP(シーパップ)療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法)を始めました。いびきが大きい、昼間強い眠気に襲われるなどの自覚症状または家族からの指摘がある場合は、早めに受診して治療を始めましょう。