生活習慣病

生活習慣病について

生活習慣病とは、「健康的と言えない生活習慣」が関係している病気のことです。
逆に言えば、生活習慣次第で発病を防ぐことができる病気という言い方もできます。
また、発病した後の経過は、生活習慣によって大きく左右されることが少なくありません。
生活習慣病に該当する主な病気として、例えば、高血圧、脂質異常症、2型糖尿病、慢性早期治療のためにまずは生活習慣を改善しましょう。

こんな習慣(悩み)は
ありませんか?

  • 若いころに比べて、体重が10kg以上増えた
  • 健診でメタボと指摘された
  • 深夜の飲食がやめられない
  • 酒・たばこの習慣がある
  • 運動嫌いな上に、移動はほぼクルマ
  • 睡眠時間が少なく、不規則
  • ストレスが多いと感じる
  • 家庭血圧が高くなってきた

こうした習慣などが原因になっています。

生活習慣病とは?
その定義と対策

以前は「成人病」と呼ばれていましたが、食事や飲酒、喫煙、運動不足などと深く関係することから、「生活習慣病」という名称になりました。初期段階で診察を受けて、ライフスタイルを見直し、ヘルシーな方向に改善することで症状が回復し、進行リスクを下げることが見込める病気です。
ただし、こうした状況を放置すると、将来的に重篤な合併症に至ることがわかっています。具体的には、高血圧、高尿酸血症、脂質代謝異常、糖尿病といった疾患が生活習慣病の分野に入ります。
そこで当院では、健康診断などの結果により生活習慣病が疑われたり、指摘された患者さまには、食事や運動といった生活習慣の面で患者さまとともに見直しを行い、さらに定期検診などにより病状を把握。必要があれば投薬治療を行います。大きく健康を損なう前に予防措置的に「生活習慣」を見直すことが、将来までの健康維持、健康管理のために重要であることをご理解ください。とりわけ、当院では、生活習慣病に対しても腎・泌尿器科専門医院としての見地も含めたトータルな診療を行います。

生活習慣病の具体例

肥満

食生活の欧米化や運動不足などの悪しき生活習慣によって体脂肪が過剰に蓄積された状態。肥満から糖尿病や脂質異常症、高血圧、心疾患といった生活習慣病を発症し、その先のさまざまな病気につながりやすくなります。

糖尿病

血液中の血糖値が慢性的に高くなる病気。早期発見、早期治療しないと、さまざまな合併症を併発するリスクが高くなります。合併症の例としては、三大合併症の網膜症、腎症、神経障害のほか、動脈硬化による脳卒中や心筋梗塞なども含まれます。

脂質異常症(高脂血症)

健康診断の結果として、示される病気。血液中のコレステロールや中性脂肪などの脂質代謝が異常値を示す状態。その結果、動脈硬化が進行し、脳梗塞や心筋梗塞などの原因となるので注意が必要です。

高血圧症

高血圧と診断される血圧値は、診察室測定で、最大血圧140mmhg以上、最小血圧90mmhg以上とされています。高血圧症も動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や心不全、脳梗塞や認知症を引き起こしやすくなります。食塩のとり過ぎ、肥満、飲酒、運動不足などが原因です。

脂肪肝

肝臓に中性脂肪が多く蓄積した状態。自覚症状がほとんどないので、そのままだと肝炎を引き起こし、肝硬変、肝臓がんへの進行リスクが高くなります。健康診断、特に超音波検査が有効です。

心筋梗塞

動脈硬化が進んで心臓の血管を詰まらせ、血流不足になり心筋の細胞が壊死する病気。発症の瞬間には胸の激痛のほか、呼吸困難や脈の乱れも起きてきます。梗塞した血管の状況によっては、突然死のケースがあります。

脳卒中

脳の血管が詰まる脳梗塞、脳の血管が破れる脳出血、脳の血管に動脈瘤が発生し、破裂するくも膜下出血。この3つを合わせて、脳卒中とします。いずれも動脈硬化が悪化した結果といえます。
◎このほか、肺がん、大腸がんも広義の生活習慣病に含まれます。

検査・治療

健康診断

生活習慣病の詳細を把握するために必要な項目をピックアップする血液検査、レントゲン検査、心電図(ホルター心電図)検査など基本的な検査を行い、そのほか必要な検査については、個別に対応の有無をお知らせします。
また、当院では千葉市の一次健診を行っています。ご希望の方は、健康診断の項目をご参照ください。

治療

疾患別、病状別の点を配慮し、各患者さまに応じて食事や運動などの生活指導を行い、さらに必要があれば薬剤治療なども実施します。

生活習慣病関係のその他の診療

禁煙治療(保険治療)

生活習慣病はもとより、そのほか多くの病気にも悪影響を与えるのが喫煙です。そこで、当院では、ただちに禁煙を試みようという喫煙者の方に禁煙治療を行います。条件はありますが、保険適用となりますので、喫煙が健康を害すると理解していてもなかなか自力ではやめられないような方は、当院までお問い合わせください。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)

これも肥満や生活習慣病との関わりが指摘される疾患で、眠っている間に一定時間、呼吸が止まるのが基本的な症状です。
医学的には、10秒以上の気流停止(気道の空気の流れが止まった状態)を無呼吸とし、無呼吸が一晩(7時間の睡眠中)に30回以上、もしくは1時間あたり5回以上発生すると、睡眠時無呼吸です。実際には、寝ている間の無呼吸に人はなかなか気づくことができないため、検査・治療を受けていない多くの潜在患者さまがいると推計されています。
この病気が深刻だとされるのは、寝ている間の無呼吸が、起きている間の私たちの活動にさまざまな影響を及ぼすことになりかねない点にあります。特に、自動車などの乗り物の運転が危険になるほか、酸素不足に陥り心臓や血管に負担がかかり、心筋梗塞や脳卒中を引き起こすようなことも。
そこで、当院では、2017年より睡眠時無呼吸症候群の簡易診断およびその治療法であるCPAP(シーパップ)療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法)を始めました。いびきが大きい、昼間強い眠気に襲われるなどの自覚症状または家族からの指摘がある場合は、早めに受診して治療を始めましょう。